上達のヒント

練習をしているのに中々上達しない。そんなお悩みをお持ちの方へ上達の秘訣をアドバイスしたいと思います。

積木を積むように

ピアノの習得は地道な努力の積み重ねが大切です。一小節ずつ、それが出来たら一段ずつ。まさに積み木を積むように丁寧にさらう必要があります。例えば掛け算の九九がしっかりできない状態で二ケタの掛け算は出来ません。それと同じことがピアノにも言えるわけです。一段目の積み木をいい加減に積むと二段目の積み木が崩れてしまいます。一小節をさらうのに1時間かかっても最終的にはその方法がベストな練習といえるわけです。

正しい型を身につける

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さて、この二つの写真をご覧ください。上の写真は2の指(人差し指)の第一関節がへこんだ状態で鍵盤を押しています。年齢が低い場合は手が小さいので、とかくこのような弾き方になりがちです。残念ながらこの弾き方は矯正しなければなりません。

下の写真をご覧ください。スポンジを使って矯正しているところです。このようにして正しい指の型で鍵盤を押す感覚を身につけていただきます。

誤った型を身につけると、矯正するのに大変な労力と時間がかかります。逆の言い方をすれば正しい型を身につけると、その後の技術の習得もスムースなものになります。意識しなくても自然にその型がとれるようになることが理想です。

私の母校である桐朋学園の創立者で指揮者の小澤征爾さんの恩師でもあられる斎藤秀夫先生が「まず型を身につけよ。その次に型から出なさい」とおっしゃいました。生徒の皆さん、正しい型こそが上達への王道です。